岡本住建の家つくり
第12瑞穂ソーラーエコタウンにて
第12瑞穂ソーラーエコタウンにて
〈平成21年8月〉

見えないところの責任
 『総合点検』は岡本住建が良くなるための一大転機となった。人の目に触れない細部にまでこだわって、手抜き、妥協の一切無い、キッチリとした仕事をするようになった。営業畑出身の私も建築現場に毎日通うようになった。
 最初は、私は兄弟会社〈パナホーム岐大〉に行っている間によそ者になっていたらしくて、大工さんをはじめとして、多少の違和感があったみたいで、注意や、指示が現場の雰囲気を悪くしていましたようでした。
 現場で大工さんが胴縁(どうぶち)とか根太等木材を釘打ちをしてる最中、ヒビ割れが入ったとき、その隣へ別の釘を打って、先の工程に進んでいくのを見て、「大工さん、悪いけど材料を取り替えて付け直してくれ」と云うと、最初は不機嫌そうな顔をしていましたが、打ち方を工夫したり現場監督が材料を変えたりして、皆がその意図を理解してくれるようになり、いい家作りのための仕事の目的がみんなに行き渡る様になったのが非常にうれしくなりました。
 お家をお引渡をするときに「見えないところを、お客さんに成り代って見てきました、見えないところの責任は私にあります。まだまだ至らない所があるかもしれませんが、胸を張ってお引渡を致します。安心してお受け取りください」と。

間取りプランの設計
 『総合点検』に設計も、試みに一緒に連れて行くようにしました。自分たちの間取りを一緒に考えた家が5年後10年後どんな状況になっているか、どんな生活が展開されているか…。この効果は絶大でした。
 奇をてらった特徴ある家とか、家具のスペース、風通し、生活の動線、机上で考えるのと、新築完成後、単に何も置いていない空虚な空間だけを見ていたのとどれだけ違うか…。
 その後のプランニングが なんとなく重厚な間取りを考えるようになってきました。今我社の建売はお客様自身が自分で考えられるより、良いプランができていると思っています。

我社の分譲地の区画割
 『総合点検』でもう一つ大きな変化は、分譲地の区画割りが大きく変りました。やはり敷地が狭い分譲地は何年か経過してみると、ゆとりがない、財産価値がない。以前は日本の各家庭の経済状況、地価の高騰等で仕方がなかったのですが(私たちお互いにそうなんで、まことにすみません話ですが)…、思い切って大きな区画割にすることにしました。
 昔、駐車場が一軒に4台分も要るとは考えてもみなった。年齢を重ねると、家に南から入る太陽の陽ざしがどんなに貴重であるか、隣家の雑音・会話が工場の騒音より、電車の通る音より気になること、隣の屋根から落ちてくる雪、雨しずくがトラブルの原因になり、近所付き合いがギクシャクすること、私たちは分譲地の区画割を考えるとき、「如何に効率的に設計をするか」ばかり考えていたのが恥ずかしくなりました。
 ついに区画割りは、やりくりが付かない時を除き、一区画70坪以上、時には100坪以上にするようにしました。
 それが長期住宅、100年住宅の基本だと考えるようになりました。どんなに耐震性のある頑丈な家でも、自分たちの代だけ好きな家に住めばいいなんて考えて家を作ったのでは、後世に家壊しの作業、ゴミ処理のツケを残すだけだと思うようになりました。まして今、耐震性の基本は基礎です。地盤改良等、地中も大きな撤去処理が残ります。
 ゆったりした家はきっと次世代も、あるいは住み手がいなくなったとき、他の人の買い手が現れる。そういった財産価値が衰えない、資産が目減りしない家は、ゆとりのある重厚な家作りだと思っています。それが本当の長期住宅だと思っています。

ソーラーエコタウン
 平成九年の秋、亡くなった先代のあとを継ぎ、社長に就任したばかり時期、これはビジネスチャンスになる、とクリーンエネルギー住宅に目を付けていました。本社の側に、太陽光発電・IH調理器・電気温水器設置(その当時、エコキュートは未だ発売されていなかった)の家と、高気密・高断熱の住宅を主力として、その体験を見込み客様に宿泊して味わってもらう、体感型住宅展示場を建築しました。
 しかし3年経過で太陽光発電設置住宅の受注はゼロ。高気密・高断熱の家は受注がわずか数棟と、無残な結果に終わりました。
 それから2~3年経ったとき、地球が今大変な状況になってきている。地球温暖化現象。
 最初のうちは、環境問題の話に熱心に耳を傾けるというわけではなかったのですが、段々と、それがとても大事なことなのだとわかってきました。これは政治、経済、文化、教育を超えた我々子孫のため、地球の未来のために大変な問題だと思いました。
 それで、自分の立場・仕事を通じて出来ることは何かないか、と考え、「太陽光発電だ!子孫のために…。私も自宅につけるぞ」。社員、出入業者、協力業者に「みんな太陽光発電をつけよう…」と一生懸命呼びかけました。建売住宅に最初から太陽光発電搭載・オール電化で売ることを思いつきました。同時に、広い土地に広い家の、理想の街づくりもめざしたのが、ソーラーエコタウン。平成15年、近隣の住宅の相場よりも一千万円近く値段が高くなり、「これで果たして売れるのか」と不安を抱く者も多かったが、社員も協力業者も積極的に動いてくれた。その結果、ソーラーエコタウンの街づくりは予想以上の成功をおさめました。
 平成20年からは建売は全棟太陽光発電搭載に切り替えて発展している。

 事業として、これで儲からないかなあと思った仕事は失敗しましたが、地球環境のために何かせねば、何か地球のためにと思って実行したら、それが成果となって現れました。ビジネスの本質の一端が勉強できた気がします。お役に立つことを第一に考えていれば、結果として認められるのだなあと、実体験として改めて分かった気がしています。


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